(2月のこと)
あまりにも熱量を持って「見に行きたい」と思う展覧会は、誰かを誘うにしてもその相手にフィットしなかったらどうしようなんて危惧してしまう。
それなら1人で行けばいいじゃん、て?
わたし、誰かと行きたいタイプなの。放っといて。
別に見終わった後に「良かったね」なんて言い合いたいわけじゃないし、共感とか求めてないんだけど、誰かそばに居て欲しいってだけ。
見終わったあと、おいしいものでも食べながらお話ししたいだけなの。
そんな中、テレビでやってた「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」の特番を見て、勢いで会期ギリギリに予約をした。
毎朝、井の頭線の渋谷駅に着くたびに「行きたいなあ。どうしよっかな」って思い悩んでた。
うちのオランダ人に、テレビを見ながら「わたし、ほんとはこれにずっと行きたかった」と言う話をして、すんなり帯同を得た。
そういうところが上手に出来ないから、友達に笑われたりする。
人の気持ちとかをすごく気にしちゃうタイプだから、なかなか言い出せなかったりすることが多い。
結局考えすぎてめんどくさくて一人で行ったあとに「言ってくれれば一緒に行ったのに」って言われるやつ。
仕方ないじゃん。シャイなんだから。
石岡さんディレクションの「落下の王国」が大好き。(お正月にテレビ放映を見逃したのが悔やまれる)
主人公のロイの衣装も展示してあって、周りを何度もぐるぐる回りながら見た。
天井まである2面の大画面でそれぞれ「落下の王国」が流されてて、ずっと見てしまった。
あらすじはスタントマンの男の人が怪我で入院してるところに同じく怪我で入院して来た女の子におとぎ話を話す、愛と復讐の物語。
ひたすら衣装と装置が壮大で美しくて、大好きなインドも出てくるから、チルしなが流し見するのに最適。
スパイク・ジョーンズとデヴィッド・フィンチャーの名前もクレジットされてる。
同じく石岡さんディレクションの「The Cell」もすき。
衣装とか装置のラフがたくさん飾ってあって、そこには赤えんぴつで修正箇所の指摘が力強く書いてあるのを見て、この人は妥協のない人なんだなって思った。
Anyways.
そういえば人生で二度目の清澄白河に舞い降り。こんなところだったっけ、って。
初めて来たのは15年くらい前、なおこちゃんに連れてきてもらった何かのイベントだったと思う。
ラウンジ系の音が流れる白い壁の明るいギャラリーか何かの空間で、チルした。
場所も何も覚えてないけど。
東京都現代美術館は建築も良くって。
水が敷いてある建物が好きなんだけど、もうちょっとあったかかったらお外で座ってたかったんだけどなあ。
コロナのお陰で事前予約制度が充実してるから、並ばずに入れるのも良い。
MISHIMA: A LIFE IN FOUR CHAPTERS (Paul Schrader, 1985) Trailer
日本では未公開の「MISHIMA: A LIFE IN FOUR CHAPTERS」の金閣寺のセットが忘れられないくらい美しかった。
床も壁もゴールドに塗られてて、トリップしそうだった。
三島由紀夫の「美しいもの」に対するストイックな姿勢がめちゃくちゃ好き。
金閣寺を見た時に「ああ、これは燃やしちゃうな」って思った。
会場ではインタビューがずっと流れてて、あの時代で女性が第一線で活躍するってことは大変だったろうなって。
今でさえ大変なのに。
会場の壁に書いてあった中で忘れたくないやつ、書いとくね。
It is possible to design one’s blood,sweat,and tears?In other words,”is it possible to design emotion?”
To be revolutionary is often considered as a privilege of young people, yet I believe that there are some artists who became more radical with age.
And creates spark.
帰りに、美術館のすぐそばの和菓子屋さんでおだんご買って食べた。
おだんごとお餅って違う食べ物なの?
芸術は一人で楽しむのもいいけど、誰かと手を繋いだりしながら同じ時間を過ごすのも悪くないよ、って。