香港のApple Dayly has done .
ちょっと行かない間に、好きな場所が喪われていくのかと思うと本当につらい。
久々に精神を蝕まれることがあった。
普段他人に興味のないわたしが、努力してたくさん優しくしてたくさん与えたのに、どんなきっかけで誰に何を言われてその人はこころをおかしくなってしまったんだろう。
わたしにも落ち度があったことを前提に弁護士に話しても、会社の上の人たちに話しても、友達に相談しても、みんな答えは一緒だった。
異常なのは彼の方だよ、って。
それから、会社はしばらくおやすみしていいよって言ってくれた。
おやすみする。わたしだって人の心があるんだから。
(詳しくはInstagramのストーリーとTwitterのフリートで)
わたし、昔から6月の半ばから自分の誕生日までの2週間くらいに「何かある」んだよなあ。
死ぬなら確実に6月だと思う。
「さくらんぼの季節だねー」って会社の人が言うから、多分そうなんだと思う。
ああ、そろそろ桜桃忌か、って。
「ナンバーガールを聴きながら通勤しちゃだめだよ」って言われたのに、聴いてしまう季節が来た。
ナンバーガールが好きな人は、信用出来る。
桜桃忌の日が土曜日で、会社がお休みだったから三鷹まで連れてってもらった。
やっぱり雨。
三鷹はいつも、雨の記憶しかない。
SNSの思い出機能によると、どうやら最後に行ったのは何年も前だったみたい。
コロナのせいか、人は少なかった。
雨の墓前でずっと泣いてる人、急足で来てタバコを一本だけ吸って帰った若者、外国人、太宰のことを語ってるのかなと思ったら全然別の言語学の話をしている大人たち、そしてわたしたち。
みんなそれぞれの想いを抱えて三鷹に集まる。
「太宰治文学サロン」に足を運んだ。
こんな場所があったなんて知らなかった。
ソーシャルディスタンスってことで中には3人しか入れないから、1時間弱待った。
この日は少し肌寒くて、上着を羽織った。
こんな気候も不安定な時期だから、太宰は死んでしまったのかと思う。
「太宰治文学サロン」でみつけた新潮社の人間失格のTシャツは、すぐに着た。
SNSに貼ったら、めちゃくちゃ反応が良かった。
帰りがけに食べた桃のパフェが美味しかった。
思いもよらない見えない暴力のせいで、食欲がない、眠れないってことがヤバいことはわかってる。
贈呈本の展示があった。
太宰のサインの癖を確認しつつ、また来たいなと思った。
壁には関連作家の関係図とか、年表がわかりやすく展示してあった。
背中のプリントなんて、もう最高。
「恥の多い人生を歩んできました」じゃないところがセンスがいい。
「グッドバイ」のマグカップを買おうか迷った。
でも、わたし、今、まさに人間失格なのかも。
コロナの最中に開館した駅前の三鷹市美術ギャラリーの「太宰治展示室 三鷹の此の小さい家」にも行ってきた。
コロナの関係で入場制限を待ってる間、後ろの方でおじさんたちが大声で太宰の知識をひけらかしてて、うるさかった。
太宰はこんな質素な間取りに住んでたのかと思った。
三島由紀夫みたいに豪華絢爛なイメージは無かったけど、ミニマムだった。
玄関脇に「Human Lost」の保存状態の良い手書き原稿が、金色で縁取られて美しく飾ってあった。
太宰は岩波の200字詰め、400字詰めとそれぞれの原稿用紙に書いてたみたい。
物書きの世界に入って、初めて200字詰めの原稿用紙の存在を知った。作家にねだって分けてもらったこともあった。
物書きになって、自分の名前が入った原稿用紙を神保町で作るのが夢だったなあ。
実際に掛けられていた表札のレプリカ。
(本物は中に展示してあった。)
太宰は「ざい」の字の最後の画を長く書くのか!ってわかったから「わたしもそうやって書くぞ!」って思っても普段使わない漢字なんだよなあ。
太宰が使ってた同じモデルのエヴァーシャープの万年筆や、懐中時計も展示してあった。
太宰は筆圧が軽くて、これ一本でたくさんの作品を書き上げたって。
気分が落ち込んだから、下北沢の駅前で買ったレモンサワーを飲みながら帰ってたら、バッタリ会ったメロ山からお花もらった。
上司から驚くようなことを聞かされた日、友達と会う約束があったにも関わらず、メロ山の店に駆け込んだ。
わたしにも落ち度があったことは認めるけど、今までの状況を周りに話したら「そいつがヤバい」ってみんな口を揃えて言ってくれる。
今回のことで、近所の友達とか、遠かったり近かったりする友達にたくさん話を聞いてもらった。
ありがとう。みんなのおかげで正気を取り戻した。
今年はジャミロクワイが歌ってるのを贈るよ。
Yahoo!ジオシティーズがサービス終了して、君の足跡を辿れなくなってしまった。
“君に会えたことに後悔なんてしてないけど、もうそんな月日が経ってると思うと、君のことをあまり思い出さなくなった日々のことを、ほんの少し後悔するよ。”
こんなとき、君ならどうしていたんだろう。