コイン屋さんの中にはロシア文学を通ってる人もいて、まさか下見会場で「賭博者」の話が出来るなんて思わなかった。
また別の日に下見に行ったら上の写真の6冊が目の前に置いてあって、なんか嬉しかった。
「賭博者」は翻訳がリアタイで出て、1冊で読み切れる感じだったから手に取った。
相変わらず登場人物は多いし、最初の25ページは読みづらくてツラいけど、ジェットコースターみたいな後半の流れが大好きな作品。
「しんどいこと」とか「つらいこと」があると、無意識のうちにロシア文学の世界に戻ることがわかった。
多分、日常生活の中で最も「非日常」なことなんだと思う。
今は学会の方からおすすめされた、教授のNHKラジオの聞き逃しのストリーミングを聞いてる。
内容は何度も聞いてることなのに、新しい気持ちで聞くことが出来る。
(しかも、教授の前の回は荒川洋治先生で、さながら学生時代を思い出す様だった。)
結局わたしはロシアクラスタなので、ロシアのこと専用にTwitterのアカウントを分けようかな、って思ってアンケート取るんだけど、結局「分けないで良い」みたいな結果になるからそのまま垂れ流してる。
一時期分けたことがあるんだけど、SNS特有の「気持ち悪いこと」が起きて削除した。
「もったいない」って言ってくれる人もいたけど、Twitterは掃き溜めみたいなもんだから気にしなかった。
だからみんなも気にしないでね。
フォローしてくれたてた方、ありがとう。
わたしは、ここにいるよ。
ロシアのコインが好きなのは、ロシアクラスタだからということもあるけど、単純に双頭の鷲とか帝政ロシアとソ連のデザイン、それにまつわる複雑な歴史が好き。
これは大好きなロシアコインの一つ、1914年銘のガングート戦勝200年記念の銀貨。
通称「ガングート」は、四つの海図を双頭の鷲が持ってる。
学生の頃はロシア文学を学びつつも、プロパガンダ芸術を中心としたロシア・アヴァンギャルドが特に好きで、アレクサンドル・ロドチェンコにドはまりした時期もあった。
「戦艦ポチョムキン」のポスターを製作したりした人。
(2019年のHeritageAuctionsで$108,000(inc/BP)で落札されてる)
あのまま進学していたら、ロシアのことを研究していたかもしれない。
だから今頃になって諦められなかった「ロシアの何か」について学んだりしてる。
そう思うことが免罪符、ということにしていてほしい。
( ロシアコインのことなんかについては、前の記事を読んでよね。)
という訳で、みなさんが「こんなコインの書籍を持ってるんだぜ(ドヤア)」ってしてるのに乗じて、わたしもやることにした。
こちらの3冊は、わたしがものすごく尊敬+敬愛してるロシアコインの大家から譲って頂いた宝物。
いつか、なにかお返しが出来れば良いのだけれど。
いつも貴重なお話をしてくれるので、余計に申し訳ない。
「SPASSKY(スパスキー)カタログ」こと「The Russian Monetary System」
ヒマがあれば開いてるんだけど、長年の謎がとけたり、誰も教えてくれないようなことが書いてあったりする。
古代コインも載ってたりして、知りたいことがたくさん書いてある。
それより、こんな状態で残ってることがすごいし、こんなものを頂いてしまって本当に感謝しかない。
泉岳寺のコイン屋さんの本棚で見つけて「わたしもこれ持ってる!!」ってマジでキモヲタみたいなこと言ってしまったこと、反省してる。
帝政ロシアの銀貨だけのカタログ。
さながら「ESC(English Silver Coin Age)」のような青が美しい装丁。
ビニールがかけてあるけど、取扱いには注意してる。
いざ開いてみたら、初版で感激した。(初版本オタク)
しかも、スイスで刷られてる。
金貨ばっかり扱う会社に居たからかもしれないけど、やっぱり銀貨はいいよなって思ってしまう。
この前YouTubeライブで、見てくれてる25人くらいの皆さんに「金貨と銀貨どっちが好きですか?」って聞いたら、見事に分かれた。
補修あとも愛おしい、Denisカタログ。
こういう古い本は発行部数がそもそも少なくて、しかも現存部数となるとまた更に少なくなる可能性だってあるから、こうやって極東のわたしの元にくるっていうだけでも感激する。
本を頂くってことは思いを託されることだと思ってるから、いつも有難いと同時にプレッシャーを感じるけど、何か思いをつなぐってことは大事なことよね。
この前泉岳寺のコイン屋さんに遊びに行った時にトルストイのコレクションがおさめられてる書籍があった。
チャイコフスキーもコインを集めてたって。
みんな、アカデミックな趣味をひとつくらい持ってる。
「本は、大事だよ」っていつもここのオーナーが言ってる。
時間がある時は書籍を見せてもらうように、お願いしてる。
最後に、ロシア文学のお話が出来るお友達の、すごく刺さった言葉を置いとくね。
「あのときはそういう時期だった
ぼくにとって
陰影の濃い時代」
いつでもそんな話ができる人を、周りに置いておきたい。
みなさんに、コインの関係の素敵なご報告ができるまで今しばらくお待ちください。