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ものすごいサブカルですが、あまり気付かれません。

ウクライナを侵攻しているロシアとわたしの気持ちのこと。

2月24日。一日でウクライナの状況が変わってしまった。

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(商談終わりに数年ぶりに行った神保町ナウカさん。本をレジに持っていったら「学生証ありますか?」って言われてニンマリした。)

 

ロシア文学や芸術をいまだに追いかけているわたしは、この気持ちを一体どうしたらいいのか、こういう場合は何を思うのが正しいのか考えることが多くなった。

「複雑」という言葉だけでは表せないと思ってる。

わたしからは「ロシア」はなかなか切り離せない。

 

まだプーチン大統領が「軍事演習」と称して部隊を配備して侵攻に踏み切る前、友達から「プーチンは(戦争)やるかな?」なんて聞かれることがあった。

わたしの答えは「YES」だった。

わたしは主に帝政最後の方からソビエト(あの頃にゆかりがある人って『ソ連』て言わずに『ソビエト』、なんなら『ソヴィエト』っていうよね)解体くらいまでを学んできたんだけど、今までの指導者たちのことを考えたら自ずとそうなった。

戦争はして欲しくない、でも始まってしまうと思う、という感じだった。

 

ウクライナと日本の時差は-7時間。

こちらのお昼過ぎに「侵攻開始」というニュースが。

ちょっとまてよ、あっちは早朝じゃねーのかよ、って。

戦争って、本当に早朝にはじまるんだなって。

今わたし、何世紀に生きてるの?これはマジなの?ってニュースを見た。

 

ルーブルは暴落。

国内の地金相場は高騰。

地金を扱っていた前職の会社に居たら、日々のレートに神経をすり減らしながら混乱の中に居たと思う。

 

テレビで「ウクライナスウェーデン化」っていうのを聞いた時に、「そういうことか!」と理解した。


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わたしは「占領国時代のコイン」が好きなんだけど、スウェーデンの20MARKKAAを見つけた時は一瞬「?」ってなった。

どう見たってロシアの双頭の鷲なのに、SUOMIって書いてる。うーむ。って。

そこから改めて歴史を調べて、このコインをお迎えした。

コインをやっていなかったらピンとこなかった。

www.youtube.com

(最初にUPした時とサムネが変わってるのに気づいた。3/4時点)

ウクライナのゼレンスキー大統領は元々国民的なコメディアンで、チ○コでピアノを弾いてバカウケした人。

そんな人が大統領になった。当時一番驚いたのは、候補者が39人も居たってこと。

侵攻後には国外に退避することもなくキエフ(キーウ)に残って、徹底抗戦の意思を見せた。

そんなことがあって良いわけがない。あの人は死なせちゃいけない。

そして「武器を渡すから帰国してくれ」って。何かの映画を見ている様だった。

中には「ゼレンスキー大統領の動画はいつも一人だし、背景も変わらないし停戦交渉の場にも現れないから、すでに国外退避したのではないか」、なんていう人もいるけど。

 

防衛研究所主任研究官で専門はロシア安全保障の山添博史さんが、NNNで苦しそうに戦況を伝えてた。

「悲観的なシナリオ」と言い、「犠牲が増える」と言葉を詰まらせてた。

ウクライナは勝つ」という国民意識が、切ない。

「頑張ってくださいとはいえなくて、どういった気持ちでいればいいのか考えながら、見守る。ここから、厳しいです」って最後に言ってた。

見てるこっちが苦しかった。

きっとウクライナにもロシアにも知ってる人が居るんだろうな。

(わたしはせいぜいウラジオストクに居る程度)

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ちなみに最推しのロシアの軍事評論家はもちろんユーリィ・イズムィコ先生。

(現在諸事情で”丸の内OL(27)”となってるのも最高)

昔から「おや、こんな若手が…!」と思って見てたから、今回のことではテレビで大活躍なのがうれぴよ。

佐藤優先生は……なんだか……ちょっと……アレだから……。

 

永世中立国のスイスがプーチン大統領らの資産凍結に踏み切ったのには驚いた。

(やっぱりスイスにも資産置いてたんじゃん。って思ったよね。)

時代は変わったんだ、って認識した。

 

プーチン大統領がやっていることは決して許されることではない。

かつての世界の独裁者が皆淘汰されたように、きっとそうなると思う。

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もしこれを読んでくれてる人たちの中に、ロシア文学やロシア語や経済学、芸術や音楽を学んでいるけれど後ろめたい気持ちの人が居たら、絶対にそれを辞めないでほしい。

それを言いたくて、この記事を書きました。

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今年の8月、コロナの影響がなければこの日本で(しかも名古屋で)「国際ドストエフスキー学会」が開かれる。

そのために実家からロシア文学や芸術の本を引き上げてきて、がんばって読んでる。

でも、ふいに「このままで良いのだろうか」なんて気持ちがブれたりする。

ロシアへの制裁で日本からのVISAの発給が停止してままだったら、ロシアの文学者たちが入国できない。

そうなるとまたオンライン開催になるのかもしれないけど、ここ2年のオンラインシンポジウムは何ひとつ面白くなかった。

登壇者はみんな下をむいて原稿を読み、双方向の意見交換がリアタイで行われないのは物足りなかった。

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先人たちの中には「アカ」だと言われても、それをやめなかった勇敢な人たちがいる。

スパイ容疑をかけられても、拘束されても、ロシアの文化を学び続けた人たちがいる。

そのおかげでわたしたちは、後に続くことができた。

ここで文化的なことを学ぶのをやめてしまったら、せっかく”思考する”という人間であることの本質を失うことになってしまう気がする。

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だからわたしはロシアの本を読むし、文化を学び続けることをやめない。

そしてボルシチを作るし、ウオツカもあおるし、ペリメニも食べる。

いつかサンクトペテルブルクのエルミタージュに行きたいし、モスクワのドストエフスキー博物館にも行きたい。

 

どうか、どうか1日でも早い平和的な終結を望んでる。

Stand with Ukraine !

Slava Ukraini 💛💙