主に艶やかなトニーレオンが「えっち」なところが良い!という思いとネタバレを含みますので、ご理解ください。
うちのオランダ人が最近お仕事から帰ってくるのが早いから、サクっと新宿まで映画を見に行ってる感じ。
21時台のチケットなら隣同士でチケットが取れるくらいの感じ。
うちからシネマートまですぐだし、せっかくだし新宿でご飯でも食べてから映画館へ。というコース。
この「2046」をみる前に「いいとんかつが食いてい」って思って歩いてたら、履いてたビーサンの鼻緒が壊れた。
マジでしぬかと思ったけど、無印でシャワーサンダル買ってきてもらって解決。
めっちゃ焦った。この世の終わりかと思った。
(おいしいとんかつをいただきました)
「すれ違いの恋愛」こそ王家衛!というわけで、今回もご多分にもれず、そんな話。
SF色もそんなになくて、あくまでもエッセンスだから安心してみることができる。(というか、わたしSFが苦手)
そんなことより、トニーレオンの濡れ場が見れる。口ヒゲのトニーレオンが見れる。
これでメガネでもかけていてくれたらいいんだけど。
冒頭、シンガポールで別れる女とキスをするんだけど、口紅がめちゃくちゃ乱れてて「おいおいおいおいどんな甘いキスをしたんだよ」って思うよね。
わたしも早くマスクを外せるようになったら、また赤リップをつけておでかけしたい。塗った瞬間ゲロ吐きそうなくらい甘いバニラの匂いがする赤リップをつける日は、いつ戻ってくるんだろう。
1960年代後半の毎年のクリスマスイブの話。
だいたい12月の頭に香港コインショーがあったから、ホリデーシーズンの香港を思い出す。
まだ半袖でも大丈夫なあたたかな12月を、膝上の派手目なワンピースとサンダルで歩く。
モールとホテルは巨大なクリスマスツリーが飾ってあって、クリスマスの曲もガンガンかかってる。
海外でのホリデーシーズンは香港が初めてだったから、空港に降りた時からその空気を身にまとう。
みんなどこか「もうクリスマスだし。クリスマス終わったらニューイヤーホリデーだし」みたいな感じでお仕事をしてる。
「だってクリスマスだよ?」っていうわけわかんない理由で色々片付いたりする。
昔「よろしくやってた」女から連絡が来て、茶餐廳で会うんだけど、会いにいっちゃうところがいい。
「Okey、売単」のセリフだけでマジ最高。
「うちはどこ?送るよ」っていう甘さが、優しさがキツい。
別れ際トニーレオンに向かって「なぜ前のようになれないの?」っていうシーンで涙腺が崩壊。
そんなの、もう無理なんだよって。相手への「好き」っていう気持ちが無くなったら、途切れてしまったら、そこで男女の関係は終わり。The End.
抱きしめることもせず、手を握って去るトニーレオンはマジでクソ。
キッツ。
泣き崩れる気持ちわかるわー。ってこころが苦しくなる。
1人で乗る的士。いつも長めの髪を上げてるのに、この時ばかりは前髪が崩れたトニーレオンがマジでえっち。
なんて思いながら泣いていたら、学生時代、音楽の授業を教えてた巨匠「梅林茂」の文字を見て「うっうっうっ梅林先生ェ…」って思って一気に冷静になってしまった。
曲はもちろん素晴らしいんだけど、「先生ェ…ウッウッ…」ってなってしまう。
シンガポールで出会った女に「香港に一緒にきてくれないか」って(2度も)言うんだけど、もちろん女は行かない。
香港人の女にキムタクが「日本へ一緒にきてくれないか」って言うんだけど、これも返事をしない。
香港の女にシンガポールへ行くから「一緒に行かないか」って言うけど、もちろん一緒には行かない。
なんなんだよ。これは一体何を見せられてるんだ。と思いながら、男女のこころの微妙なズレの連続。
わたしなら、付いていく。どこまでも付いていく。
愛する人と一緒なら、どこでもきっと大丈夫だから。
今度9月にお仕事でシンガポールに行くんだけど、うちのオランダ人に「シンガポールに行ってもトニーレオンはいないよ」って言われた。
マジで?え?いないの?ほんとに?なんで?(真顔)
Love is all a matter of timing. It's no good meeting the right person too soon or too late.
この名台詞をどうやって解釈するかは見てる側のアレなんだけど、「恋愛はタイミングが大事。いい人に出会うのに、早すぎても遅すぎてもダメ」かなって思ってる。
出会う人と、その時の自分のタイミング。
今年、まさにそういうことがあった。
世の中にはクソ野郎ばっかりしかいないと思ってるんだけど、もしかして別れても未練があったり、好きだった人のことを想ったりしてしまう男の人っているんだろうか。
男心って、わかんない。でも、わたしが思ってるよりも切ない生き物なのかもしれない。
もしわたしがあなたの気持ちを理解していないようだったら、きちんと目を見て諭して欲しい。
トニーレオンが茶餐廳で好きな人に向かって、優しい口調で言い聞かせた時みたいに、わたしがあなたの気持ちをきちんと理解するまで続けてほしい。