150BPM

世界の終わりの夢を見る

2024年に3度も香港に行くとは思わなかった話。

1年のうちで3回も香港に来れるだなんて思ってなかった。

毎回その地を離れる度に「ああ、もうここでの仕事は無いかもなァ」なんて思ってる。

今回の香港滞在はいつもと違って「出展者」なので、気持ちを引き締めて入境。

憧れのe道もゲットしたから、今度から香港への出入国ラクになるはず。

(e道はある一定のガイドラインをクリアした人が誰でも貰えるイミグレを簡単に通り抜けるための登録みたいなもん)

 

K11にアイスの車がずっと停まってた。

 

ホリデーシーズンの香港は最高なんだっつーのマジで。

ペニンシュラホテルのツリーを見ないと年を越せねーよな。

というわけで、今年はCHANELのコラボみたい。

K11と機場はDIORだった。

 

今年のツリーはどんな感じなんでしょ、と思って調べてたら「2019年のペニのツリーは最悪」っていうレビューを見つけて「あ、やっぱり同じこと思ってる人いたんだ」ってわかった。

2019年の12月はワイが最後に香港に離れた時期なんだけど、この年のツリーのデコレーションがマジで良くなくて、一緒に見た友達と「なんかちょっと……ね……」という最強に微妙なKIMOCHIになってた。

 

「ファンの方からだよ」って、代わりに受け取ってくれたボスから聞いて感動した。

(ありがとうございます。直接お礼が言えなくてすんません。)

もう半島酒店(ペニンシュラ)のものしか、こころが動かない。

きめ細かいケーキ生地は、もうたまらんよね。

 

というわけで、今年の出張の締めくくりは愛する香港でした。

突然香港コインショーに出展をズギャッとキめたうちの老板(広東語でボスの意味)is最高。

それこそ、もしかしたらテーブルの募集の締切を過ぎてたかもしれないのに無理やりBookしてくれた主催者に感謝。

 

 

国内外でいつも良くしてくれるし、支えてくれる。いつも心配してくれる。

今のわたしのポジションがあるのも、この人が居てくれたおかげ。

獺祭って有名?大丈夫?って心配しながら彼の地元のお料理を出すところで振る舞ってくれた。

大丈夫、美味しいよ。ありがとう。って伝えた。

 

この看板を見た時、感激した。

転職して、オークション事業も始まって、香港ショーに戻って来れるなんて思ってもいなかった。

他のディーラーたちも「おめでとう!おかえり!」ってたくさんたくさん言ってくれた。

 

今更覚えた広東語は「藍妹」。

今回はたくさんブルーガールを飲めた。

この透明なボトル、持って帰りたかったなー。

今回、持ち物が多くてこういうの持って帰れなかったのが悔しい。

 

「揚州炒飯」の美味しさを老板に押し付けた。

本当は「福建炒飯」をどこかで食べたいんだけど、意外に見つけられない。

この緑のやつ。

なんか小松菜とかそういう青菜を細かく切って炒飯に入れたら美味しいんだ!って気づいてから、おうちでもやるようになった。

広東料理は気づきが多い。

 

「海老麺の店」って呼んでるところ。

ここはミシュランを獲ってるお店なんだけど、やっぱり美味しい。

今回は混ぜ麺にしたんだけど、このオイスターソースが本当に美味しかった。

汁も楽しめて、なんかすごく良かった。

ここの通りで朝ごはんを食べるのには事欠かないんだけど、他のお店より少しOPENが遅かったからお店の前で並んだりした。

 

アサメを食べて、「おやつ買いに行こう」つって立ち上がったら、側に居た同業者先輩に「おやつ??笑」って言われたけど、激務のコインショーのテーブルホルダーにとっては重要なカロリー摂取なんだから。

九龍レストランでエッグタルトをゲット。あとは菠蘿包。

 

エッグタルトはK11の地下のお店のやつが結構好みだったかもしれない。

 

メガネ買っちゃった。

かわいかったんだもん。

A.Societyっていう香港初のブランドなんだけど、ここのメガネというかサングラスがマジで最高ブチ上げるレベルでかわいい。

 

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ていうか、うちの老板がパリでここのメガネをぶっ壊してから、パリ・モナコ・ロンドンで似合うメガネを探したのに1つも見つからなかった。

なんだこの現象!?と思ってA.Societyに行ったら全てのメガネが似合ってた。

こんなことってあるんだなーって笑ってた。

店員さんも覚えててくれて、笑ってた。

 

港女よろしく、ウェルカムで大量の麻婆豆腐と魚香茄子の素を買った。

ワンピースのポケットにパンパンに入れて歩いてたら、「尖東どこ?」っておじさんに聞かれたから、あっちだよって教えてあげた。

街角で「れーこ!」って呼ばれて驚いて振り返ったら、同業者さんだった。

もう、来世は香港でまた港女したい。

文学が強い香港大学でも学びたい。

 

やっぱりここのお粥と港式の飲み物が美味しい。

というか恋しくなってしまう。

わたしは港式ミルクティーピータンとチキンのお粥が好き。

 

わたしのセンチメンタルはここから始まった。

覇王別姫のイメージのお茶屋さんを見つけて、息が止まった。

どうしてもここでお茶をシバきたかったので、催事の合間をぬって行って来た。

 

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美しいレスリー・チャンの最期を思いながら、長蛇の列を待ってた。

15分待つけど……って店員さんに言われたけど「好了好了」って言って待ってた。

 

いつまで経ってもわたしのレスリーはどこにも居ないんだけど、どこにいるの?尖沙咀には居ないだけ?

 

念願のSotheby's香港のギャラリーに行ってきた。

全て感動的だった。プレゼンテーションも照明も音楽もそれぞれの展示物のコンセプトに合ったものだった。

 

東京で長蛇の列だったダミアン・ハースト「桜」も普通に飾ってあった。

あんなに見れなくて悔しい思いをしたのは、なんだったんだろう。

 

カウズのエルモが敷き詰められたソファ。

こんなの座れないー。

この時、大好きな曲がかかってた。

 

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我要你的爱〜とか歌いながらゴキゲンでギャラリーを回った。

やっぱり光のアプローチも音楽も展示方法もすごく良かったし、勉強になった。

 

同じジャンルのものを集めるだけがプレゼンテーションじゃなくて、全体的に見た時の

 

これがまたすごい書籍で、1910年の「バイロン卿の恋の情事」の特別版なんだけど、中を開けて見せてもらった。

緊張した。

 

ちなみに、72,000香港ドル。うう……。

とはいえ、近親○姦の話など赤裸々なものだから、その場に居た老板にどんな話か言えなかった。

 

漢方屋さんでお茶をシバいた。

わたしは涼茶。

香港限界OLだった時、海天堂で亀ゼリーをキめながら外のお茶のカウンターで、ものすごい素敵なお帽子+サングラスのマダムが「これ、1杯くださる?」つってオクトパスカードPASMOみたいなやつ)で払ってスーーーーッとお茶を飲んで去っていたのを見た。

わたしもあんなマダムになれんのかよ〜と思ってたけど、このお茶は苦かったし、そんな港女史にはなれないのであった!!

 

Sotheby'sを出て大排檔を目指して歩いていたら、憧れの「陸羽」が見えて震えてしまった。

ちょうどお仕事用の動画を撮ってた時だったから、「ヒョエッ」みたいな声を出してしまって恥ずかしかった。

陸羽を知ったのは、お土産のお茶をもらってから。

調べたら老舗のレストランということで、香港に行ったら一度は行かないとと思いながら一度も行ったことが無かった。

というのも、そのお茶をくれた人に「連れてってよ」と何年もお願いしたのに「あそこは店員の態度が悪いから」ってずっと断られてた。

これはもう縁が無いんだな、と思ってたら、ふと迫り出した看板が目に入って「アッアッ」ってなってたら「行くっしょ」つってすでにお店に向かってた。

思い出を思い出として美しく取っておきたいタイプなんだけど、「いいよ、やっぱ手前の烤鴨店にしようよ」って言ってしまった。

 

やっぱり点心は夕方までの提供だったから、普通にごはんを食べて来た。

もうこの背もたれが固い感じも、理想的な香港のレストランだった。

お店の中は創業時から時間が止まっているかのような、シノワな感じがたまらなかった。

トイレに入って手を洗っている絶妙なタイミングで服務員が「熱いかも」って言いながらいい匂いのするあったかいタオルを渡してくれた。

これぞ!!サービス!!と味わいながら、老板と「どこがサービスが悪いんだろうね」って言い合った。

お茶も注いでくれるし、お料理も取り分けてくれる。

おじ達全員優しかった。

 

無事、美しい思い出を塗り重ねて、感動的なお料理を頂いて涙ぐんでいるわたし。

というか12月の半ばでこんな格好で夜に出歩ける気温が、こころのゆとりを与えてくれるよね。

 

そのまま歩いてたら、少し遠くにミッドエスカレーターが見えた。

もう足がすくむくらい、世界で一番行きたかった一角が見えた。

 

通りの名前のプレートを見上げた瞬間、脳内には「California Dreamin」が流れた。

 

「ここがわたしが大好きな映画監督の映画の中でほんとに有名な場所であってだな」と早口で言ったところで「ああ、そうなの」みたいなテンションだったけど、とりあえず連れてってもらった。

 

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あの、あの場所に立ってる。わたし。

やりたかったことが叶ってしまったし、行きたいところは全てこの通りにあるんやん!と脳内を整理した。

大排檔も、陸羽も、あの通りも、ミッドエスカレーターも。わたしの幼い頃からの夢が全部詰まった場所だった。

 

ミッドエスカレーターに乗れた。

幼いわたしの夢が、また一つ叶った。

このエスカレーターにどれだけ憧れたことか。

この景色を見るために香港で生きてきたと言っても過言ではないくらいだけど、決心が付かなくてなかなかこの地に足を運べなかった。

すぐ近くで働いてたのに、思い出は美しいものにしていたくて、どうしても来れなかったのに。

なんか勢いで来てしまった。

 

どれだけここの眺めに憧れたことか。

もう我慢できなくて泣いてたけど、「ウケる」みたいな感じがちょうどよかった。

この場所に憧れていなければわたしは香港に夢を見ていなかったし、働き続けることもできなかったと思う。

それほど、大事な場所。また来たい。

 

でもやっぱりわたしのトニー・レオンはどこにも居ないんだけど。

 

朝、カオルーン公園に老板を連れてって、「これがだね、わたしがいつも見ていたフラミンゴなんだよ。ほらね、こっち側に働いてたオフィスがあるから、見上げながら辛い思いしてたんだからね」って聞いてもらうプレイをした。

「ああ、そうなのね」くらいの感じだったけど、話し相手になってくれてありがとう。

 

Babyなフラミンゴもたくさん居て、やっぱり嬉しい気持ちになった。

また今度見に行った時に「大きくなってるのかなあ」なんて思ったりする。

 

重慶大厦の地下ってこんなにオシャレになってるって知ってた?

ファインアートを扱うところが急激に増えて来た印象なんだけど、めちゃくちゃ良い場所が増えた。

こういうインスタレーションみたいな大掛かりなものって大好きだから、もっと増えてほしい。

無から有を作る人っていうのは、どこまでも尊敬できる。

ギャラリーを見つけたら、出来るだけ入りたいし、芸術とか美しいものをずっと見ていたい。

 

ミシュランにも乗った烤鴨店でご飯した。

わたしついついポークを頼んじゃうんだけど、許してくれる人で良かった。(もちろん何切れか交換してくれる人でさらに良かった)

このレタスを茹でてオイスターソースと食うやつ、めっちゃうまいよね。

なんだろう。絶対食べたい。

 

大排檔に行きたくて、バンメをハシゴした。

テーブルの向こう側の人と目があって「あ、こんちは」みたいになった。

そんなお隣は「時価」って書いてあるシーフードばっかり頼んでて、「世界…」ってなった。

 

マジ30分くらい来なくて何度も「まだ?」って聞いちゃったビーフン。

めちゃくちゃ美味しかった。

大排檔の営業ライセンスは食物環境衛生署が大排檔の許可証更新を受け付けないことを考えるということで、失われる文化かもしれないと思うとあと何回行けるかなって思っちゃう。

 

もちろん最後の日は「Significant Massage」にキまってる。

おねーさんが脚をシバいてくれて、ゴキゲンで帰った。

 

帰りにもお茶。

Happy Holidayがうれしいよね。

今までの香港出張は「何でわたしはホリデーシーズンにこんなとこで仕事してるんだろう」って塞ぎ込んでたけど、今回からはそんな思いも無くなった。

すごい。

 

ジャスミンティーに、お店のおねーさんおすすめのライチジュースとナタデココ

ここのナタデココ、めっちゃトロピカルな味がして美味しい。

お茶にフルーツジュース入れるの、やっぱり好きだなー。

 

空港のラウンジでご飯が出るけど、老板が星の国にいたのもあって肉骨茶を見つけて「食うぞ」つって連れてってもらった。

美味しかった。

骨付きの肉が大好きすぎるんだけど、バクテーって美味しいんだなって思った。

付いてたソースも美味しかった。

ついついビーフンにしちゃったんだけど、アルデンテで美味しかった。

 

香港にいると「食べるぞ!」って思わないと黄色い焼売って食べないんだけど、空港のラウンジでは使命感に駆られて食べる。

どこで食べても美味しい。

 

最後はやっぱりラウンジでサーモンとプロセッコをキめた。

もうね、ラウンジで同じの頼んでずっと食べてるけどいいの。

 

これにて、今年の出張は終了。

海外だけで6回も行ってたことを老板の話すYouTubeで知った。

来年はNYとミュンヘンに行く予定が入ってる。

 

世界って広いしたくさんの人に会うんだけど、いつだって人間は一人なんだよね。