150BPM

ものすごいサブカルですが、あまり気付かれません。

シンガポールコインショーに行って、わざわざ会いにきてくれた人の気持ちを(思い)知った話

シンガポールの食事とか街の話とかは、また別の記事で)

初のチャンギで浮かれるわたし。(到着してまだ一歩も街に出てない)

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みんなに会えてうれしかった。

ディーラーのみんなとは2019年12月の香港以来3年ぶり、ということで「良くぞ生きてた!」くらいの気持ちでたくさんハグをし合った。

前職を辞めた時に香港に思いを置いてきてしまった気がしたので、今回は香港の人たちと会えて本当に良かった。勝手に気持ちの整理ができた。

転職をしたことを伝えたら、新しい会社のラインナップを見たみんなが「こっちの会社の方がいいじゃん」って言ってくれた。

3年経ってるのに「変わらないね」って言ってくれた。(ありがとうケニス)

コインショーの初日は青かネイビーを着るというのがワイのセオリー。

大手のコイン屋さんはみんな美しいスーツを着てるよね。

 

「ディナーかランチに行きたいけどマジで時間がない、っていうことを伝えにきた」ってわざわざ言いに来てくれた人もいたし、「なんとか時間を空けたのでランチしよう!」ってしっかり予定をFIXしてくれた人もいる。

中には観光+空港まで送ってくれた人たちもいて、やっぱり時間は作るものなんだと思った。

ありがとうAnthony。香港の父。そしてシンガの父ことリチャードを紹介してくれた。

いつもAnthonyからは教わることが多かったんだけど、今日はヒンズー教のお寺に行った時にペラペラと喋ってたら「説明してくれてありがとう」って言ってくれた。

「わたし、マニアなだけだから」って、みんなで笑った。

いつもAnthonyからは教わることばかりだったから、少しお返しが出来たかなと思えてうれしかった。

 

リチャードを紹介してくれて、おかげでガイドブックに載っていないシンガポールを知ることができた。

一人じゃ絶対に行かないような「色街」も車を走らせてくれた。

そして、ホーカーでたくさん美味しいものを食べさせてくれた。

アジアで一番勢いがあるんじゃないかという若手コインディーラーのハンくん。

気づけばオークション会社がめちゃくちゃデカくなってて尊敬する。って言っても「そんなことないよ」って言う。

青のシャツが美しい!あと、みんな背が高いのにワイが自撮りしようって言うと膝を折ってくれる。

そして、鑑定済みの紙幣を使ったNFTの会社も立ち上げていて、日本なんかより最先端をいってるなーと感心した。

ケニスがマリーナベイサンズの最上階にあるインフィニティプールに連れてってくれた。

なんだよこれ、天国じゃんって。

しかもバーでビールまで飲ませてくれた。

シンガポール滞在最終日、最高のエンディングになった。

(ホテルの建築が素晴らしかった)

今回会った中でもダントツ優勝だったのは、日本からの出張アレンジ勢。

なんとなくノリで声をかけたら、マジで予定を無理やりアレンジしてくれたようで、驚きすぎて会場でちょっとした痴話喧嘩みたいになってしまった。

「なんで予定アレンジしてくれたこと言わないの」って。「わざわざ言うわけないだろ」って。

軽く塩対応してしまったことを謝ったら「LINE読めよ」って言われてしまった。すまん。

 

そして、この週は2度もトムフォードの映画「ノクターナルアニマルズ」の話をした。

こんな奇跡ってないからびっくりした。イケおじはだいたいトムフォードが好きだな。(れーこpediaに新たに追記された)

 

クソ忙しい人ほど時間の作り方を知ってるから、こうやって時間を作ってくれる人しか会いたくないし会わない。

それ以外の「会いたい」って言う人は傲慢さで生きてる、と思う。

でも、「わたしに会いたけりゃ時間作ってお前が来い」って少しばかり思うわたしが傲慢なのかも。

今まで「出張アレンジするよ〜」とか耳障りのいいことを言う人はたくさんいたけど、実際にアレンジしてくれる人なんてほとんどいなかったよね。

 

たまに国境までも超えてマジで会いにきてくれる人っているけど、ほんとにすごい。(香港に来てくれたタレ目のおじさんとMy Kinky SIsのシコちゃんとか)

今回も聞くところによると絶対大変だったはずなのに、絶対に「大変だった」って言わないところもすごい。

(香水変えよっと)

そんな国際的イケおじのおかげで、自己肯定感爆上げのラグジュアリーな時間を過ごさせてもらえた。

海外出張に行くと色々な思いが起こるから、どうにかして自己肯定感を上げてきた。

それがペニンシュラでの一杯のシャパンだったり、蘭桂坊のパイントのビールだったり、ヴィクトリアハーバーで飲むマンゴーのスムージーだったり。

初めてのシンガポールは、わたしの壮大なわがままを叶えてくれたおかげで、泣かないで済んだ。

転職したくだりを、この収集家にあらためて話したんだけど「れーこに対してネガティブな思いなんて一切無いし、もうあそこではコイン買ってないよ」って言ってくれて報われた。

それなのに彼が持ってるコインの1枚を、他のお客様が欲しいって言ってるから売ってくれって言ったら「お前んとこで買って自分でスラブに入れたのに(鑑定に出したの意)、思い出が無くなるじゃないか」って言われたりなどした。

ごめん。マジでごめん。男心がわかんないんだよ…。

 

わたし、「会いたい」って言ってくれる人の中でもしつこく連絡してくれる人で、日時と場所をしっかり指定してくれる人じゃないと会わない。

「会いたい」って言ってくれるのはいいけど、予定をちゃんと決めてもらわないと忘れてしまうタイプだから。

わたしの良くないところは「興味が無い人のことはマジで覚えられない」こと。

今回も名刺を何度も渡しそうになって「もらったよ」って言われたりした。

この前なんて、紹介していただいた方のことを全然思い出せなくて、あとから確認したら絶対に覚えておかないといけない人だった。

(ちなみにこの週1度目の「ノクターナルアニマルズ」の話はこの時、トムフォードの話になったから)

(ヤクンカヤトーストの本店おいしかった〜)

会社の人と飲んでいて、その辺のおじとのやりとりの話になって「LINEをちゃんと読んでください」ってまた言われたし、「ぼくが写ってる写真をおじには送っちゃだめですよ。その数だけ相手はブチギレてますよ」って叱られた。

マジか。と思いながらパイントのドラフトビールを2杯飲み込んだ。

パパに「れーこは男心が世界一わからないね」って言われてるから、もうどうしたらいいかわかんない。

それでも可愛がろうとしてくれるみんな、めげないでね。あと、諦めないでね。

わたし、日時をきちんとFIXしてくれる人には、きちんと会いに行くから。

香港でしぬほど噛んでたレモンミントのハイチュウ的なやつ。あるだけ買った。

ベーブが吸えない室内とか、小腹が空いたけどマジで食べ物を買いに行く時間が無い時にはこれを噛んでた。久々に食べて泣きそうになった。

レモンミントのガムとか好きで良く買ってたんだけど、だいたい廃盤になっちゃう。

こんなにレモンミントのものを愛してるのは、世界でわたしだけなのでは…。

無くなる頃に必ず香港で補充していた「リキンキ」の麻婆豆腐の素。

これは本当においしい。広東味。

ベストマッチは沖縄の「島豆腐」と鶏肉のミンチ。これであっさりしっかりした麻婆豆腐になる。

更に甜麺醤オイスターソースを垂らして、完璧。あまり辛いのは嫌い。

 

初めてのシンガポールだったけど、支えてくださるみなさまのおかげでNice(Business)Tripになりました。

ほんとうに。大謝。そして再見!

王家衛4Kレストア版「恋する惑星」と「Chungking Express」

ついに「恋する惑星」を見た。見てしまった。

今回もネタバレがあるので、気をつけてね。

トニーレオンが最高過ぎて、あの登場シーンを見て思わず「うお…」って悶絶してしまった。

トニーレオンが警察の帽子を脱ぎながら髪をかき上げるところと、タバコを吸っているところをもっと何度も見たい。

もう、曲が流れてきただけで映画館でノックアウトされた。

生きていてよかった。本当に。生きて、大人になって映画館で見れるなんて奇跡に近い。ありがとう王家衛。という気持ちでいっぱいになった。


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まさにこれ。この映画を幼い頃に見て、香港に永遠に憧れた。

「その時、ふたりの距離は0.1ミリ」ってテロップが出た時「ウッ」って声が出てしまった。

 

2018年に香港に初めて足を踏み入れた時の滞在場所は湾仔だったんだけど、ここで映画が撮影されたのかと思うと感極まった。

ワールドワイドに世界中を飛び回った名付け親にそれを告げたら「香港行ったことなかったの?ってことは、呼ばれて行ったのね。第二の故郷になるといいわね」ってLINEが来た。

その時は初めての香港、所属していた会社では初めての海外出張で、忙しくてロケ地を回ることもできなかった。

でも、南の方独特の湿気の感じとか気温。街の喧騒が最高だった。

お店が夜遅くまで空いてるので、仕事の飯アポが終わったあとは着替えてお散歩に出た。

ぬるい空気を胸いっぱいに吸った。

このシーン。まさにこのシーンに出てくるようなお店を見つけて、大興奮した。

香港にはこういうお店が本当にたくさんあって、限界香港OLだったわたしにとっては「何時でもご飯が買える貴重な場所」だった。

その後の拠点は尖沙咀になったんだけど、オフィスから少し坂を下ったとこにあるお店は本当に便利だった。

ちょっとお腹がすいたらチャチャっと行って、黄色い焼売を食べた。

ここの店はいつもババアがキレてたけど。

youtu.be

香港警察にはこんなハンサムな警官は一人もいないけど。

カリフォルニアドリームといえば、この映画よね。って思う。

この映画、というか王家衛の映画に憧れてパイナップルの缶詰を食べまくった人はどれくらいいるんだろう。

わたしはパイナップルとかキウイとか食べすぎると喉がかゆくなっちゃう系アレルギーなので、あまり積極には食べないようにしてる。(あと、アクの強い食べ物もだめ)

 

この映画の英語のタイトルは「Chungking Express」なんだけど、これは尖沙咀にある「重慶大厦(チョンキンマンション)」から来てるんだけど、実物を見た時に感動した。

でもそこはレートの安い両替屋とインド人が大量に居て、思ってたのとはちょっと違った。

よくカレーを食べてたんだけど、当時本社でお隣だった時計部さんの男子から電話がきて「れーこちゃん!!そんなとこ一人で行ったらあかん!!」ってめっちゃ怒られた。

その後も、お気に入りのドラッグストアが全部入ってたから、足繁く通ったけど。

今回もご多分にもれず泣いた。

しかし、最後のスタッフロールで今回も「梅林茂」の名前を見て一瞬冷静になってしまった。(学生時代に中庭で良くタバコを吸っいるところに遭遇した)

これはただのストーカー映画なのかもしれないし、なんならちょっと度が過ぎていて気持ちが悪いんだけど、トニーレオンが艶かしくてとても良き。

 

そして残り一作となったけど、シンガポールから帰ってからになりそう。

王家衛4Kレストア版「2046」を見た話と「Love is all a matter of timing」

主に艶やかなトニーレオンが「えっち」なところが良い!という思いとネタバレを含みますので、ご理解ください。

うちのオランダ人が最近お仕事から帰ってくるのが早いから、サクっと新宿まで映画を見に行ってる感じ。

21時台のチケットなら隣同士でチケットが取れるくらいの感じ。

うちからシネマートまですぐだし、せっかくだし新宿でご飯でも食べてから映画館へ。というコース。

この「2046」をみる前に「いいとんかつが食いてい」って思って歩いてたら、履いてたビーサンの鼻緒が壊れた。

マジでしぬかと思ったけど、無印でシャワーサンダル買ってきてもらって解決。

めっちゃ焦った。この世の終わりかと思った。

(おいしいとんかつをいただきました)

 

「すれ違いの恋愛」こそ王家衛!というわけで、今回もご多分にもれず、そんな話。


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SF色もそんなになくて、あくまでもエッセンスだから安心してみることができる。(というか、わたしSFが苦手)

そんなことより、トニーレオンの濡れ場が見れる。口ヒゲのトニーレオンが見れる。

これでメガネでもかけていてくれたらいいんだけど。

 

冒頭、シンガポールで別れる女とキスをするんだけど、口紅がめちゃくちゃ乱れてて「おいおいおいおいどんな甘いキスをしたんだよ」って思うよね。

わたしも早くマスクを外せるようになったら、また赤リップをつけておでかけしたい。塗った瞬間ゲロ吐きそうなくらい甘いバニラの匂いがする赤リップをつける日は、いつ戻ってくるんだろう。

 

1960年代後半の毎年のクリスマスイブの話。

だいたい12月の頭に香港コインショーがあったから、ホリデーシーズンの香港を思い出す。

まだ半袖でも大丈夫なあたたかな12月を、膝上の派手目なワンピースとサンダルで歩く。

モールとホテルは巨大なクリスマスツリーが飾ってあって、クリスマスの曲もガンガンかかってる。

海外でのホリデーシーズンは香港が初めてだったから、空港に降りた時からその空気を身にまとう。

みんなどこか「もうクリスマスだし。クリスマス終わったらニューイヤーホリデーだし」みたいな感じでお仕事をしてる。

「だってクリスマスだよ?」っていうわけわかんない理由で色々片付いたりする。

 

昔「よろしくやってた」女から連絡が来て、茶餐廳で会うんだけど、会いにいっちゃうところがいい。

「Okey、売単」のセリフだけでマジ最高。

「うちはどこ?送るよ」っていう甘さが、優しさがキツい。

別れ際トニーレオンに向かって「なぜ前のようになれないの?」っていうシーンで涙腺が崩壊。

そんなの、もう無理なんだよって。相手への「好き」っていう気持ちが無くなったら、途切れてしまったら、そこで男女の関係は終わり。The End.

抱きしめることもせず、手を握って去るトニーレオンはマジでクソ。

キッツ。

泣き崩れる気持ちわかるわー。ってこころが苦しくなる。

1人で乗る的士。いつも長めの髪を上げてるのに、この時ばかりは前髪が崩れたトニーレオンがマジでえっち。

なんて思いながら泣いていたら、学生時代、音楽の授業を教えてた巨匠「梅林茂」の文字を見て「うっうっうっ梅林先生ェ…」って思って一気に冷静になってしまった。

曲はもちろん素晴らしいんだけど、「先生ェ…ウッウッ…」ってなってしまう。

シンガポールで出会った女に「香港に一緒にきてくれないか」って(2度も)言うんだけど、もちろん女は行かない。

香港人の女にキムタクが「日本へ一緒にきてくれないか」って言うんだけど、これも返事をしない。

香港の女にシンガポールへ行くから「一緒に行かないか」って言うけど、もちろん一緒には行かない。

なんなんだよ。これは一体何を見せられてるんだ。と思いながら、男女のこころの微妙なズレの連続。

わたしなら、付いていく。どこまでも付いていく。

愛する人と一緒なら、どこでもきっと大丈夫だから。

 

今度9月にお仕事でシンガポールに行くんだけど、うちのオランダ人に「シンガポールに行ってもトニーレオンはいないよ」って言われた。

マジで?え?いないの?ほんとに?なんで?(真顔)


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Love is all a matter of timing. It's no good meeting the right person too soon or too late.

この名台詞をどうやって解釈するかは見てる側のアレなんだけど、「恋愛はタイミングが大事。いい人に出会うのに、早すぎても遅すぎてもダメ」かなって思ってる。

出会う人と、その時の自分のタイミング。

今年、まさにそういうことがあった。

 

世の中にはクソ野郎ばっかりしかいないと思ってるんだけど、もしかして別れても未練があったり、好きだった人のことを想ったりしてしまう男の人っているんだろうか。

男心って、わかんない。でも、わたしが思ってるよりも切ない生き物なのかもしれない。

 

もしわたしがあなたの気持ちを理解していないようだったら、きちんと目を見て諭して欲しい。

トニーレオンが茶餐廳で好きな人に向かって、優しい口調で言い聞かせた時みたいに、わたしがあなたの気持ちをきちんと理解するまで続けてほしい。

王家衛4Kレストア版「ブエノスアイレス」を見た話と「Happy Together」

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今回の4Kレストア版の中でも一番見たかったけど見たくなかったやつ。

それは「ブエノスアイレス」こと「Happy Together」だった。

ブエノスアイレス 摂氏零度」っていうメイキング、というかドキュメンタリーも見たけど、こころが痛くなっただけだった。

 

これは香港の反対側。アルゼンチンのブエノスアイレスでの話なんだけど、愛するレスリーチャンと大好物のトニーレオンが出てる。

 

公開する時代が早すぎた、ゲイのカップルの映画。ちょうど香港返還の頃。

狭いソファーに寝るトニーレオンのところに、ぎゅぅぎゅうになって重なり合うレスリーチャン。

せっかくトニーレオンが買ってきてくれたタバコのストックを、全てぶちまける。

「他の男」と、タクシーに乗り込む。

 

見た後のこの苦しい思いは、10代〜20代の”痛い恋愛”そのものなんだと思う。

なんであの頃、あんなに彼氏と喧嘩してたんだろう。なんであんなにワガママだったんだろう。なんで可愛くしていられなかったんだろう。

今思うと恥ずかしいくらい馬鹿馬鹿しいことなんだけど、その頃のわたしは多分余裕が無かったし、「愛」が欲しかったんだと思う。

愛が何かもよくわからなかったのに。

もしかしたらその頃付き合っていた彼は、わたしに愛情を注いでくれていたに違いないんだろうけど、それに全く気づけなかった。

そんな気持ちをえぐられるモーメントこそが、この王家衛4Kレストア版を見にいくという行為なんだよな。

痛いわ。ほんと。

(だから、好きな人の前ではかわいく素直でいるようにしてる)

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ラストは台湾。愛する台湾。台湾にも、もう3年行ってない。

騒がしい夜市のシーンは、あの五香粉のにおいを思い出した。

Happy Togetherが流れてるけど、どこがHappy Togetherなんだよ。って思いながら泣いた。

最後にトニーレオンは笑ってるけど、全然ハッピーエンドじゃない。

 

レスリーは想いを抱いて、ベッドの上の棚にタバコを並べ直す。

トニーレオンが去った後の部屋に居を置く。

思い直した時っていうのは、たいてい何もかも手遅れになってることが多いよね。

そんなことを何年も人は学べないまま、歳を取ってく。

恋愛の盛り上がりも楽しいけど、瞬間的な恋愛ゲームより自分の人生にとって厚みになるような恋をしようね。

エンドロールの「張 國榮(レスリーチャン)」の名前を見た瞬間、情緒が崩壊した。

やっぱり、レスリーチャンは生きていたんだと思って。

「清掃が入るので退席してください」って言われるまで、座席から立てなかった。

うちのオランダ人と感想を交わしながら、涙が止まらなかった。

「ぼくが泣かせてるみたいじゃない」って言われながら、新宿駅までの道のりを歩いた。

「あんな思いなんて、もう2度としたくないよね。恋なんて失いたくないよ。あんなことを何周もして今があるんだから、もう同じ切ない思いなんてしたくないよね」って恋愛を語るうちのオランダ人に「お前なんかに恋愛を語られるのはこの世の終わりだ」と泣きながら小田急に乗り込んだ。

 

小さい頃、アジアの映画をたくさん見た記憶がある。

ママが香港で仕事をしていた頃の話を聞いて「なんで香港好きだったの?」って聞いたら「そんなの、初めて飛行機から降りた瞬間から好きだったわ」って言ってて、さすがMy Momって思った。最高。

 

その中でもレスリーチャンを美しいと思った少女だったわたしは、そのままの記憶のまま大人になってしまった。

気付いたらレスリーはマンダリンオリエンタルから飛び降りていたし、わたしは命日にその場所に立つようになった。

いつも、ちょうど香港のお仕事が終わりに差し掛かるあたりのタイミングで、この命日がやってくる。

荷造りを済ませて天星小輪に揺られながら中環まで向かい、マンダリンオリエンタルホテルの石畳にキスを置いて、午後イチのフライトで香港を去る。

この郷愁に近い思いは、香港という場所やお仕事、人間関係を中途半端にしてきてしまった意識があるからなんだな、ということがわかった。

(実際はそんなことはないんだけど)

2019年のクリスマス、「また来るね」ってみんなに言って、香港の土地にその思いを置いてきたままだから。

いつか、あの頃みたいにまた尖沙咀でみんなと会うことができるんだろうか。

 

全部、コロナのせい。

王家衛4Kレストア版「天使の涙」を見た話と「エフェメラ」

ついに、ついにこの時期が来てしまった。

愛する香港映画が4Kレストア版で見れる日が。

 

unpfilm.com

詳しくはサイトから。

 

レストアが発表されたのが2015年。どれだけ待ちわびたことか。

10代のころVHSで見た映画が、大人になってからスクリーンで見れるなんて思わなかった。

ついこの前、渋谷のbunkamuraで一瞬だけ上映された「覇王別姫」のチケットは即ソールドアウトだったから、見れなかった。

見れなかったくらいがちょうど良かったのかもしれない。

ある映画を一番最初に浴びた時の、めちゃくちゃエモーショナルな瞬間っていつでも超えられないし。

 

香港映画への思いはこちらから。(重め)

pecotaranta.hatenablog.com

 

大本命の「恋する惑星」は時間的に間に合わなかったんだけど、勢いで「天使の涙」のチケットを取った。

その日は1日、気圧のせいか天気の変化のせいか具合が優れなくて久々に本当に辛かった。

締め切りがあったにも関わらず、信じられないくらいダウナーだった。

(翌日マジでハズせない予定があったので、途方にくれてたレベル)

そのせいもあって、初日のチケットを取るのに尻込みしてた。

それでもやっぱり見たくて、上映2時間前くらいなのにチケットが取れたのはラッキーだった。

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劇場に向かうと、ひとつ前の上映の「恋する惑星」のエンディング「夢中人」が外まで聞こえてきて、気づいたら泣いてた。

「これからわたしは映画館のスクリーンで王家衛を見るんだ」ってずっしりと重い気持ちになった。

次香港に行ったら、絶対に「あのエスカレーター」に行く。


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この、トニーレオンが帽子を脱いで髪をなでつける場面は無限にループしていられる。

この「天使の涙」の満席は、コロナ禍以来久々のことだったらしい。

映画とか舞台とかライブとか。娯楽が失われるなんて、人のイマジネーションは一体どうなってしまうんだろう。

開演前、巻頭の野崎歓の文章が読みたくてパンフレットを買った。

学生の頃、フランス文学なんて大っ嫌いだったけど、野崎先生の公開講義はよく見に行ってた。

というのも、ずっと下北沢に住んでるし、駒場東大もすぐだし。

とにかく、野崎先生のお人柄も文章も大好きだった。(後に香港映画、特に王家衛の本を出すほどフリークだってことを知るんだけど)

パイナップルの缶を食べていたのは、わたしだけじゃなかったみたい。


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初っ端からいきなり湾仔のMTRの駅のシーン。

はじめてお仕事で派遣されたところが湾仔だったから、「キッツ」って思いながら見た。

毎日コンベンションセンターまで、歩いて通勤していたのが懐かしい。

仕事後に、疲れてホテルのエレベーターに乗ったら他の階から顔の濃い人が乗ってきてぶつかった。

「Sorry」って目も合わさずに携帯をいじりながら謝ったら「お疲れ様です」って、他の 部署の人だった。

(のちに伝説となったこのエピソードにより、戦友となるマイメンと知り合うきっかけになった)

 

スクリーンの中ではみんな紙巻きタバコを吸ってる。

香港は街角にオレンジ色のでかいゴミ箱があって、その上に灰皿があるから、歩いてるみんなが結構タバコを吸ってた。

ご多分に漏れずわたしはベープを吸いながら、キレた表情で通勤してたと思う。

 

流暢な広東語を喋る若い金城武が良い。

カメラワークがわちゃわちゃしてるけど、わたしはそういうの気にしない。(酔わないし)

こういう映画は「雰囲気もの」だと思うから、サラッと見ることにしてる。

「死にに行く」殺し屋のシーンは何度みてもモノローグが痛い。

ラストはYouTubeでしぬほど見てきたのに、バイクのシーンでThe Flying Picketsの「Only You」の「パラララー」って聞こえてきた瞬間、情緒が崩壊した。

もう何で今わたし泣いてるんだろうって思いながら、泣いた。

(痛い女ですんませんね!)

 

上映が終わってエンドロールが終わった頃、会場は自然と拍手が起こった。

映画館でこんなエモい体験、したことねーよ。

劇場にある一角。あれもこれも香港。

 

ここ最近、ちょっとツラいお別れがあって完全にトラウマレベルだったんだけど、いい加減そのことに向き合わなくちゃいけないタイミングだった。

それは、わたしを香港にいざなった理由の一つを失ったような気持ちだったから。

別ればあれば、出会いもある。いくらか気持ちを片付けなくちゃいけなかった。

 

 

翌日、パンフレットの野崎歓の文章を電車で読んだら、また情緒がしんだ。

「映画がひとときの夢だとしたら」なんていう刺さる言葉で始まる文章は、土曜日の早朝の人がまばらな電車の中で読むもんじゃない。

エフェメラ」を追うような20代を過ごし、30代を迎えてもなお追い求めてしまっていた。

そんなことを反省はしないけれど、これからはそのエフェメラを紡いで大事な時間をしっかりと手に入れていきたい。

その日はこころのリハビリに付き合ってもらうような1日を過ごして、前向きになれた。

いつも来ない不忍池の反対側のベンチに座って、目の前を通り過ぎるスワンボートを見ながら、湿気の多い空気を吸った。

(付き合ってくれたマイメンありがとうだし、これからもマジでよろしくお願いしたい)

 

あと4作品。完走できるかな。見たらひとつひとつ書き留めておこうと思う。

 

The deep scars you left on me will be neatly buried by someone else, and I'm sure I'll forget your face when I see you on a street corner in Hong Kong la.

最近を振り返り(でも後戻りはしないよ!)

やべーな!魔の6月が半分過ぎちゃったね!みなさんお元気でしょーか?

ワイは元気です。

オメガが好きなので、エキシビションに行ってきました。

まあ、実家にいるときのワイはこんな感じかなって思ってもらったら良きです。

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去年の今頃は会社でモメてマジでしにたくなってた時期でございました。

ワイのことをご存じの方はご承知だと思いますが、従来6月は鬼門of鬼門。

幼い頃、この梅雨時期から7月頭にかけて小児喘息の影響で毎年入院してたのもあって、あまりいい思い出が無い。

6月は「もう息だけしてるから、マジ何もないまま過ぎ去ってくれ…」という月なのですが、今んとこ快調!

というわけで、ご多分に漏れず、今年も桜桃忌に行けたらいいな。という感じ。

(一緒にいくお友達いたら、言ってね)

 

せっかくなので、最近の出来事をThrough Back!

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6月9日。石原慎太郎先生のお別れの会に行ってきました。

偉大な文学者であり、石原家のトップであった慎太郎先生が亡くなったのが2月。

亡くなるつい2日前まで「呼吸器をお使いではあるけれど」という情報は入ってた。

とはいえ、訃報をいち早く聞いた時「マジか」と思った。

いつか訪れるその瞬間が、ついにきてしまったのか、と。

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学生時代にはみんな「太陽の季節」を読むし、映画も見ると思う。

あの時感じた衝撃は、以前先生に会った時に全て納得した。

「君はどこの学校なの」って聞かれて「文化学院です。物を書く勉強をしています」って言ったら”ニヤリ”とされた。

これが、あの魔力か!とハタチくらいのわたしは空気に飲まれたというわけ。

安倍元首相が「一つの時代が終わった」って言ってたけど、まさにその通り。

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会場のディスプレイは全て最高で、書斎を再現したものもあった。

「こんなご本も読まれていたのか!」と驚くものばかり。

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三島由紀夫との写真や、著作一覧、先生が描かれた絵もあった。

そして香水はARMANI!しぬまで「男」だった豪快な方だった。安らかに。

 

6月14日は銀座でのランチMTGを終わってからすぐ、REEZIのライブに行ってきた。

いや、ちがうな。APOLOGISTさんのライブに行ってきた。

www.apologist.net

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場所は三軒茶屋ヘブンズドアー。ライブハウスでライブを見るなんていつぶりだろう。

プラカップのお酒が美味しかったです。たくさん飲んじゃった。

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ライブ、はちゃめちゃに良かった。やっぱフロントマンは派手でええのう。

あと、おっきい人は映えるからいいわよね。

邪魔かな?とか思いつつ、ちゃんと見たかったから目の前で見ちゃった。

(ほんとに邪魔じゃなかったかな)

PETとかミッシェルガンエレファントとか(マッハドリルとか)見てきた世代だから、やっぱりボーカルの人は歌だけやってて欲しいし、キラキラしてて欲しいよね。f:id:pecotaranta:20220616163724j:image

TシャツはSサイズだけなので、お早めにね。

ブラックメタルといえばロビさんとセイタン。見た目は怖いけど、みんなやさしいおおきなおともだち。

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先週REEZIにはうちのオランダ人からお願いしてもらって、慎太郎先生のお別れの会の予定が入って行けなくなった、東京宝塚大劇場雪組公演「夢介千両みやげ」を見に行ってもらった。

かましいお願いだったんだけど、快く引き受けてくれた上に、楽しんでもらえたみたいで本当によかった。

しかも、お土産まで貰ってしまった。東京宝塚劇場限定の!!お菓子!!

 

宝塚というのは劇団四季とかバレエとかクラシックのコンサートとかと違って”異色”なのはわかってるから、慎重にお願いしてもらった。

帰りに合流してお話を聞いたら、「楽しかった!」って終始言ってくれて安堵。

ワイは5月末にマッマ連れて行ってきたんだけど、まあ彩風さんのおみ足が長いこと!

黒燕尾が最高だった。いや、全部最高だった。

 

kageki.hankyu.co.jp

しかしここで宝塚歌劇団から衝撃的なニュースが。

トップ娘役の朝月 希和さんが12月の公演で退団とのこと。マジかよ。大劇場でのお披露目を見たワイとしては、寂しいぽよ。

推しは推せる時に推さないと、ダメゼッタイ。

 

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そして、シアターコクーン蜷川幸雄7回忌メモリアル「パンドラの鐘」もご縁あって見てきました。

ポスターのアートワークは蜷川実花

www.bunkamura.co.jp

2時間40分休憩なしというのにビビりながら、無事完走。

(以下ネタバレあり)

ちょっとトンチキ感があったから、最後の方に「蜷川幸雄野田秀樹は一体何を伝えたかったんだろう」と思った時に、みずおが舞台に耳を付けて鐘の音を聞いた瞬間「これは!!!愛と恒久の平和を願っているのでは!!!」と突然気付いて、涙が止まらなかった。

その途端、舞台後ろの搬入ドアがドーーーンと開いて、外の世界と繋がる演出。

業者が普通にジュースを補充してたり、スタッフが歩いたり、車の出入りが見える。

なんだこれは、なんだこれは!!!!と思ってるうちに、平和を願うその思いを受け止めて泣いた。

っていうか、成田凌すげーよ。マジ。

たまにこういうライブのエンタメを浴びなくちゃだめね。ほんと。サビついちゃう。

(終わった後、中の人に答え合わせをしたら「世界平和だよ」ってことだったので大正解!)

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みて!My lovery Peony

おおきくて鳥さんみたいでふわふわしてて、ほんとうにかわいい!

(いつもありがとうだよ)

 

それでは聞いてください。Back to Black.


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Black, black, black, black, black, black, black,
I go back to
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ウクライナを侵攻しているロシアとわたしの気持ちのこと。

2月24日。一日でウクライナの状況が変わってしまった。

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(商談終わりに数年ぶりに行った神保町ナウカさん。本をレジに持っていったら「学生証ありますか?」って言われてニンマリした。)

 

ロシア文学や芸術をいまだに追いかけているわたしは、この気持ちを一体どうしたらいいのか、こういう場合は何を思うのが正しいのか考えることが多くなった。

「複雑」という言葉だけでは表せないと思ってる。

わたしからは「ロシア」はなかなか切り離せない。

 

まだプーチン大統領が「軍事演習」と称して部隊を配備して侵攻に踏み切る前、友達から「プーチンは(戦争)やるかな?」なんて聞かれることがあった。

わたしの答えは「YES」だった。

わたしは主に帝政最後の方からソビエト(あの頃にゆかりがある人って『ソ連』て言わずに『ソビエト』、なんなら『ソヴィエト』っていうよね)解体くらいまでを学んできたんだけど、今までの指導者たちのことを考えたら自ずとそうなった。

戦争はして欲しくない、でも始まってしまうと思う、という感じだった。

 

ウクライナと日本の時差は-7時間。

こちらのお昼過ぎに「侵攻開始」というニュースが。

ちょっとまてよ、あっちは早朝じゃねーのかよ、って。

戦争って、本当に早朝にはじまるんだなって。

今わたし、何世紀に生きてるの?これはマジなの?ってニュースを見た。

 

ルーブルは暴落。

国内の地金相場は高騰。

地金を扱っていた前職の会社に居たら、日々のレートに神経をすり減らしながら混乱の中に居たと思う。

 

テレビで「ウクライナスウェーデン化」っていうのを聞いた時に、「そういうことか!」と理解した。


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わたしは「占領国時代のコイン」が好きなんだけど、スウェーデンの20MARKKAAを見つけた時は一瞬「?」ってなった。

どう見たってロシアの双頭の鷲なのに、SUOMIって書いてる。うーむ。って。

そこから改めて歴史を調べて、このコインをお迎えした。

コインをやっていなかったらピンとこなかった。

www.youtube.com

(最初にUPした時とサムネが変わってるのに気づいた。3/4時点)

ウクライナのゼレンスキー大統領は元々国民的なコメディアンで、チ○コでピアノを弾いてバカウケした人。

そんな人が大統領になった。当時一番驚いたのは、候補者が39人も居たってこと。

侵攻後には国外に退避することもなくキエフ(キーウ)に残って、徹底抗戦の意思を見せた。

そんなことがあって良いわけがない。あの人は死なせちゃいけない。

そして「武器を渡すから帰国してくれ」って。何かの映画を見ている様だった。

中には「ゼレンスキー大統領の動画はいつも一人だし、背景も変わらないし停戦交渉の場にも現れないから、すでに国外退避したのではないか」、なんていう人もいるけど。

 

防衛研究所主任研究官で専門はロシア安全保障の山添博史さんが、NNNで苦しそうに戦況を伝えてた。

「悲観的なシナリオ」と言い、「犠牲が増える」と言葉を詰まらせてた。

ウクライナは勝つ」という国民意識が、切ない。

「頑張ってくださいとはいえなくて、どういった気持ちでいればいいのか考えながら、見守る。ここから、厳しいです」って最後に言ってた。

見てるこっちが苦しかった。

きっとウクライナにもロシアにも知ってる人が居るんだろうな。

(わたしはせいぜいウラジオストクに居る程度)

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ちなみに最推しのロシアの軍事評論家はもちろんユーリィ・イズムィコ先生。

(現在諸事情で”丸の内OL(27)”となってるのも最高)

昔から「おや、こんな若手が…!」と思って見てたから、今回のことではテレビで大活躍なのがうれぴよ。

佐藤優先生は……なんだか……ちょっと……アレだから……。

 

永世中立国のスイスがプーチン大統領らの資産凍結に踏み切ったのには驚いた。

(やっぱりスイスにも資産置いてたんじゃん。って思ったよね。)

時代は変わったんだ、って認識した。

 

プーチン大統領がやっていることは決して許されることではない。

かつての世界の独裁者が皆淘汰されたように、きっとそうなると思う。

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もしこれを読んでくれてる人たちの中に、ロシア文学やロシア語や経済学、芸術や音楽を学んでいるけれど後ろめたい気持ちの人が居たら、絶対にそれを辞めないでほしい。

それを言いたくて、この記事を書きました。

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今年の8月、コロナの影響がなければこの日本で(しかも名古屋で)「国際ドストエフスキー学会」が開かれる。

そのために実家からロシア文学や芸術の本を引き上げてきて、がんばって読んでる。

でも、ふいに「このままで良いのだろうか」なんて気持ちがブれたりする。

ロシアへの制裁で日本からのVISAの発給が停止してままだったら、ロシアの文学者たちが入国できない。

そうなるとまたオンライン開催になるのかもしれないけど、ここ2年のオンラインシンポジウムは何ひとつ面白くなかった。

登壇者はみんな下をむいて原稿を読み、双方向の意見交換がリアタイで行われないのは物足りなかった。

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先人たちの中には「アカ」だと言われても、それをやめなかった勇敢な人たちがいる。

スパイ容疑をかけられても、拘束されても、ロシアの文化を学び続けた人たちがいる。

そのおかげでわたしたちは、後に続くことができた。

ここで文化的なことを学ぶのをやめてしまったら、せっかく”思考する”という人間であることの本質を失うことになってしまう気がする。

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だからわたしはロシアの本を読むし、文化を学び続けることをやめない。

そしてボルシチを作るし、ウオツカもあおるし、ペリメニも食べる。

いつかサンクトペテルブルクのエルミタージュに行きたいし、モスクワのドストエフスキー博物館にも行きたい。

 

どうか、どうか1日でも早い平和的な終結を望んでる。

Stand with Ukraine !

Slava Ukraini 💛💙