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ものすごいサブカルですが、あまり気付かれません。

「さらば、我が愛/覇王別姫」を映画館で見た話

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愛するレスリーチャン没後20年というわけで、吉祥寺のアップリンクに「覇王別姫」を見に行ってきました。

まだ上映期間中だから、もし時間がある人は見に行った方が良いと思う。

上映当時の中国では、文革と同性愛を扱っている作品のため、上映禁止になったほど。

 

有楽町のKADOKAWAでもいいかなって思ったけど、おうちから近い方にした。

来場者特典はもらえず。それくらい人気で良かった。

 

KADOKAWAのサイトはこちら。

さらば、わが愛 覇王別姫 4K|トップ

 

最初にショッキングなモチーフが出てくるんだけど、会場からは小さな悲鳴が上がってた。

 

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と、その前に目の前の地下にあるロシア料理屋さんでランチした。

こんな目の前にロシア料理のお店があるなんて知らなかった!

ランチは無いんだけど、セットメニューがあるのでオーダーした。

これは「毛皮のコートを着たニシン(Селёдка под шубой:セリョートカ・ポド・シューボイ)」っていう前菜。

だいすき。

ママも大好きなやつ。

どうやったらビーツの色がこんなに残るんだろう。

あとはピロシキボルシチ、サービスのりんごのパウンドケーキ(上に紅茶風味のふわふわのクリームが乗っかってておいしかった)

大好きなキンズマラウリはボトルでしか無かったので、お店の方のおすすめの赤ワインをグラスで一杯。

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顔ハメはハメるよね。かわいい。

持ち帰りもできるようなので、今度はお持ち帰りしたいな。

美味しかったです。

 

吉祥寺駅すぐの「カフェロシア」さん。

【OFFICIAL 公式】CAFE RUSSIA カフェロシア Кафе РОССИЯ (23年7月18日更新)

 

予約してった方がいいかも。

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パンフレットは映画が終わった段階で完売してた。

やっぱりこういうのは迷ったら即課金した方が良い。

 

京劇「覇王別姫」のあらすじ。

秦の時代のお話。圧政を敷いてきた秦を倒し、そんな中台頭してきた楚の項羽と漢の劉邦は覇権をめぐって争い、項羽は追い込まれる。

項羽についてきた妻の虞姫(ぐき:虞美人のこと)は、足手まといとならぬよう自ら命を断つ。

 

この映画のあらすじ。

不幸な出自の京劇役者・程蝶衣(レスリーチャン)が、虐待にも近い厳しい教育を受けながら有名な役者へ成長する。

しかし、当時の中国の情勢の中、文化大革命と人間関係に翻弄されながら悲しい最後を遂げる。というもの。

 

実際の京劇の内容と似たような内容に仕上がってる。

劇中に「運命は変えられない」的な言葉が何度か出てくるんだけど、普通ならハッピーエンドに変えていくような展開になるところを、そのままの運命になぞらえて生きていく。

その感じが見てて本当につらい。

しかも、レスリーチャンがこの世にいないなんて、もっとつらい。

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最初のシーンで号泣カマしてしまった。

多分初めて見たであろう方達が、劇中セリフを間違う様子を見て「うふふ」って笑ってたけど、わたしにはそんな余裕もなく。

そのセリフの間違い方も、蝶衣の人生そのもののようで見てられない。

二人の50年の幕が降りる時、その最期は悲しいものでしかなかった。

相手役の小楼が、最後のスクリーンカットの瞬間、笑ってるように見える。

死ぬことでしか、幸せになれない人も居るよね、ってうちのオランダ人と話しながら帰った。

わたしたちは何人もの友人を自死で亡くしてるけど、突然のことで驚くこともあれば、「ようやく死ねたんだね」って思う相手もいる。

そういう時の気持ちを思い出した。

死んで良い人間なんて、居ないんだけど。

 

ずっと涙ぐみながら演技をしているように見えるレスリーチャンが痛い。

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なんでもうこの世にいないんだろう、って思うけど、スクリーンの中では永遠に美しいまま閉じ込められてる。

 

レスリーが生きていたら、もっとたくさんの映画に出てくれたんだろうか。

もっとスクリーンの中で輝いていたんだろうか。

わたしも、50年続く人間関係を知ることが出来るんだろうか。

なんて。